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HOME > > 【第27章 話法】 27-2 話法の転換

 
第27章 話法
  27-1 直接話法と間接話法合   27-2 話法の転換
 


人が述べた言葉や思想を伝える方法を話法といい、それにはふつう直接話法と間接話法があることはすでに紹介しました。ただ、話法は実務文ではあまり多く用いられない傾向にありますので、ここではできるだけ簡略にその種類と転換の概要を掲げておきます。

27-2 話法の転換


直接話法と間接話法は相互に言いかえることができます。ここでは直接話法を間接話法に変える場合の注意すべき点をいくつかまとめてみます。

(1)
平叙文の場合
(a)
句読点の変化と小文字の使用
伝達動詞の次の〔,〕または〔;〕および引用符を取り、直接話法の引用文の最初の語の大文字を小文字に改めます。
He said, “It is mine.” (彼は「それは私のだ」と言った)
He said that it was his.
(b)
接続詞の使用
間接話法では従節をthatでつなぐのが原則です。ただしこのthatは簡単な文ではよく省略されます。
He said, “I am going to buy a new car.”
 (彼は「新車を買うつもりだ」と言った)
He said (that) he was going to buy a new car.
(c)
伝達動詞の変化
伝達動詞がsay(said)だけのときはそのままsay(said)を用い、say to(said to)であればtell(told)に変えます。
He said to me, “I am ready now.”
 (「もう用意はできているよ」と彼は私に言った)
He told me (that) he was ready then.
[注]
上の場合を除き、他の伝達動詞はそのまま用いられます。
She wrote, “I will be home within a week.”
 (彼女は「1週間以内に帰ります」と手紙を出した)
She wrote that she would be home within a week.
(d)
時制の変化
被伝達文の時制は前述した「時制の一致」の原則に従って適当に変えます。
He said, “I have served in a company as an engineer.”
 (彼は「ある会社に技師として勤めていたことがある」と言った)
He said that he had served in a company as an engineer.
(e)
人称の変化
被伝達文の中の代名詞の人称を意味・内容に応じて適宜変えます。
He said to me, “You may〔can〕go with me.”
 (彼は私に「一緒に行ってもよい」と言った)
He told me that I might〔could〕go with him.
(f)
形容詞・副詞の変化
時や場所を表す形容詞・副詞およびそれに相当する語句は、状況に応じて適当に変えます。
He said, “I will leave here for London tomorrow.”
 (「あすはここを出発してロンドンに行きます」と彼は言った)
He said that he would leave there for London the next day.
参考までにおもな変化例を掲げてみましょう。
this(these)→ that(those) now → then
〜ago → 〜before today → that day
yesterday → the day before、the previous day
tomorrow → the next day、the following day
last night〔week、month、・・・〕→ the night〔week、month、・・・〕before、the previous night〔week、month、・・・〕
next week〔month、year〕→ the next week〔month、year〕、the following week〔month、year〕
here → there
ただしこれらは絶対的なものではなく、伝達の時・場所の移動の有無を考えて用いなければなりません。たとえばある事柄を同じ日のうちに伝える場合にはtodayはそのままtodayでよく、またhereも伝える場所が同じ場所であればそのままhereを用います。伝達する時や場所が移動した場合にかぎってtodayはthat dayに、hereはthereに変えるわけです。
He said yesterday, “I am going to America this fall.”
 (彼はきのうこの秋にアメリカに行くよ」と言った)
He said yesterday that he was going to America this fall.

(2)
疑問文の場合
(a)
句読点と語順の変化
疑問符を終止符にかえ、平叙文の語順にもどします。
He said to me, “Do you know how to operate a word processor?
 (彼は私に「ワープロの使い方をご存知ですか」と言った)
He asked me if I knew how to operate a word processor.
(b)
伝達動詞と時制の変化
伝達動詞のsay (to) をask(質問する)、inquire (of)(尋問する)などにかえます。また被伝達文の時制も「時制の一致」の原則にしたがって適当に変えます。
She said to him, “What can I do for you?”
 (彼女は彼に「何かできることがありますか」と言った)
She asked him what she could do for him.
He said, “Where is the office located?”
 (彼は「オフィスはどこにあるのですか」と言った)
He inquired where the office was located.
(c)
接続詞の使用
1.
疑問詞で始まる場合
被伝達文が疑問詞で始まるときは、間接疑問の場合と同じように接続詞は用いず、疑問詞をそのまま残し、平叙文と同じ語順にします。また助動詞のdoは否定文の場合は別として除きます。
He said to me, “Why do you work so hard?”
 (彼は「どうしてそんなによく働くのですか」と言った)
He asked me why I worked so hard.
2.
疑問詞で始まらない場合
疑問詞で始まらない疑問文、つまり一般疑問文の場合には、ifまたはwhether(・・・or not)(〜かどうか)を用いて被伝達文を導きます。そのあとの語順はやはり平叙文と同じです。
He said to me, “Have you heard about GATT?”
 ( 彼は私に「ガット(関税ならびに貿易に関する一般協定:General Agreement on Tariffs and Trade)のことは聞いておられますか」と言った)
He asked me if I had heard about GATT〔whether I had heard about GATT (or not)〕.





(3)
命令文の場合
直接話法の命令文を間接話法に変えると「〜に・・・するように言う」という意味を表します。この転換にあたっては、
1.
伝達動詞を意味の度合いに応じて適当な動詞に変えます。よく用いられる動詞にはtell、askがあり、このほかorder、command、instruct、request、adviseなどがあります。
2.
被伝達文中の動詞をto−不定詞にかえ、文全体を「主語 + 動詞 + 目的語 + to−不定詞」の形で表します。
なお、否定の命令(禁止文)の場合は不定詞の前にnotをつけます。
I said to him, “Start at once.” (私は彼に「すぐ出発しなさい」と言った)
I toldordered〕him to start at once.
I said to him, “Don’t feel nervous in negotiations.”
 (私は彼に「交渉中は神経質にならないように」と言った)
I advised him not to feel nervous in negotiations.
[注]
勧誘文(〜しよう)の場合は、伝達動詞にsuggestを用い、suggest that〜(should)・・・の形で表すことができます。
He said to me, “Let’s wait and see for a while.”
 (彼は私に「しばらく成行きを待とう」と言った)
He suggested (to me) that we (should) wait and see for a while.

(4)
感嘆文・祈願文の場合
感嘆文・祈願文は感嘆符を終止符に変えるほか一定の形はありません。伝達動詞は内容に応じて、感嘆文ではcry、exclaimなどに変えてveryを添え、祈願文ではexpressを用いることもできます。
He said, “How happy I am!” (「なんと幸せなんだろう」と彼は言った)
He said how happy he was.
he criedexclaimed〕that he was very happy.
He said, “May you succeed!” (「君の成功を祈る」と彼は言った)
He expressed his (hearty) wishes for my success.  ※【並列】

(5)
複雑な構文の場合
被伝達文が複文・重文・混文あるいは2つ以上の文から成るときは、適宜thatその他の接続詞を用いて話法を変えることができます。
(a)
複文の場合
時制・人称・修飾語(句)の変化や前述した方法に準じて話法を転換します。
She said to me, “Is there anything〔something〕I can do for you?”
 (彼女は私に「何かできることがありますか」と言った)
She asked me if there was anything〔something〕she could do for me.
(b)
重文の場合
and、butなどの等位接続詞の次には、原則としてthatを繰り返して用います。これはthatがないと被伝達文がどこまでなのか区別がつきにくく、誤解を生む恐れがあるからです。ただし、理由を表すsinceの場合はそのあとにthatを入れる必要はありません。
He said, “I am sick and I cannot work.”
 (彼は「気分が悪くて働けない」と言った)
He said (that) he was sick and (that he) could not work.
He said, “The meeting is postponed, since〔because〕the boss is away.”
 (「会合は延期です。社長が不在ですので」と彼は言った)
He said (that) the meeting was postponed, since〔because〕the boss was away.
(c)
混文あるいは2つ以上の文から成る場合
被伝達文において、重文の中に従属節が入っていたり、あるいは平叙文と命令文のように種類の異なる文が混ざっているときには、それぞれ適当な伝達動詞や接続詞を用いてつなぎます。
He said, “I do not know  what the others are going to do,  but on my part I can never accept such unfair treatment.”
 ( 「他の人ならどうしようと知らないが、私としてはこんな不当な処遇に屈することはできない」と彼は言った)
He said that he did not know what the others were going to do, but that on his part he could never accept such unfair treatment.
He said to me, “I don’t have any money with me. Please lend me some.”
 (彼は「金の持ちあわせがない、少し貸して」と私に言った)
He told me that he didn’t have any money with him, and asked me to lend him some.

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